こだわりを捨ててみる
先日『森で暮らす女の子スタンプ【冬】』というアニメーションスタンプをリリースしました。
2017年に初めてLINEスタンプを作った時には、とにかく「なにかキャラクターを作らなければ!」ということで、好きな生き物である小鳥を使った静止画スタンプを作ってみました。
その後は、自分がこれまで一番興味を持っていた「和風」をわたしのスタンプのカラーにしていこうと思いつき、和菓子や暦、日本の文化で表す四季のようなスタンプを主に作ってきました。
キャラクターを作る際にもとにかく「和風」というものにこだわりました。
『丁髷雀(ちょんまげすずめ)』『達磨で応援!スタンプ』『小さな和鳥』シリーズなど、日本的なキャラクターを意識して作るようにしてきました(『空間小人』や『シュールな日常スタンプ』はキャラクターというより、アイデアを形にしたかったスタンプです)。
テーマを「和風」に絞ったことで、「和風」をお題としてアイデアを考えることができ、それはそれで作りやすかったのですが、続けるうちに、表現してみたい別の世界がムクムクと頭をもたげるようになってきました。
『森で暮らす女の子スタンプ』は「「和風」へのこだわりを、捨てたキャラクターを作ってみようかな?」と考えて、作ってみたスタンプです。
そして、「和風」へのこだわりを捨てた際に、「自分の好きなように作る」という、「自分」へのこだわりも同時に捨ててみました。
他の売れている方々のスタンプをイロイロと参考にし、文字の置き方や、色の使い方、画面の表現の仕方などを、先入観を持たず、よりたくさんの人から「好まれそう」と思う方に意識して変えてみました。
結果、『森で暮らす女の子スタンプ』は、これまで出したキャラクターもののスタンプの中では、一番好評のようです。
こだわりを捨てることが出来たのは、これまで「自分の好きなように作る」をある程度やりつくすことが出来て、「我」を通すことに満足し、「もういいや」と手放す気持ちになれたから、のような気がします。
どんなものでも、まずは自分の好き勝手にして満足したあとで、ようやく他人のことも意識した、客観的な目を持てるようになるのかもしれません。